川崎・しんゆり芸術祭2013 アルテリッカしんゆり

今年で5回目の開催となるアルテリッカしんゆり。オペラにバレエ、クラシックやジャズのコンサートをはじめ、映画はもちろん、本格的な舞台演劇から子ども向けの劇、和太鼓や能・狂言など、多彩なプログラムでお届けします。今年もゴールデンウィークはしんゆりで本格的なアートをご堪能ください。

カンヌ映画祭パルムドール受賞作品特集

カンヌ国際映画祭でパルムドール最高賞を受賞した今村昌平の名作『楢山節考』『うなぎ』と、近年のパルムドール作品を、すべて35oフィルムで上映します。
当館のロビーには『楢山節考』『うなぎ』のパルムドール・トロフィーが常設展示されています。本物のトロフィーをこの機会にぜひご覧ください。・左:『楢山節考』受賞トロフィー(寄託:東映株式会社) ・右:『うなぎ』受賞トロフィー(寄託:今村プロダクション株式会社)

1983年受賞

楢山節考

1983年/日本/カラー/ビスタ/2h11/35mm
監督・脚本:今村昌平
原作:深沢七郎
出演:緒形拳、坂本スミ子、倍賞美津子、左とん平、清川虹子

60年代の日本映画界を席捲した今村昌平は、70年代に沈黙を余儀なくされる。『復讐するは我にあり』で復活した彼は、念願の『楢山節考』に着手し、長野の山中で1年に及ぶ撮影を敢行した。今村が提示した酷薄のリアリズムに、カンヌはパルムドールを捧げた。

上映日 4/27(土)=10:00 4/28(金)=12:35 4/29(月・祝)=15:25 5/1(水)=18:30
楢山節考©今村プロ・東映
1997年受賞

うなぎ

1997年/日本/カラー/ビスタ/1h57/35mm
監督:今村昌平
原作:吉村昭
脚本:冨川元文、天願大介、今村昌平
出演:役所広司、清水美砂、常田富士男、柄本明、市原悦子

ヨーロッパに再びジェノサイドをもたらしたユーゴ紛争が一定の終息を迎えたこの年、パルムドールが贈られたのは、本作とキアロスタミの『桜桃の味』。ともに絶望からの再生と人間への信頼を紡いだ作品である。今村は2度目のパルムドールという新たな伝説を手にした。(審査委員長イザベル・アジャーニ)

上映日 4/27(土)=12:50 4/28(日)=15:25 4/29(月・祝)=18:15 5/2(木)=10:00
◆4/27(土)12:50の回は副音声ガイド付き上映
うなぎ©ケイエスエス/衛星劇場/グルーヴコーポレーション
2007年〜2010年のパルムドール受賞作
2007年受賞

4ヶ月、3週と2日

2007年/ルーマニア/カラー/ビスタ/1h53/35mm/PG12
監督・脚本:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ

妊娠した友人の堕胎のために、違法と知りながら奔走する女子大生をカメラはひたすら追い続ける。鮮烈なリアリズム演出で知られるルーマニア・ニューウェーブを代表する作品。ムンジウの新作『汚れなき祈り』は昨年のカンヌで脚本賞と女優賞を受賞している。(審査委員長スティーヴン・フリアーズ)

上映日 4/28(日)=10:00 4/29(月・祝)=12:50 5/2(木)=15:50 5/3(金・祝)=18:30
4ヶ月、3週と2日©Mobra films 2007
2008年受賞

パリ20区、僕たちのクラス

2008年/フランス/カラー/ビスタ/2h08/35mm
監督:ローラン・カンテ
脚本:ローラン・カンテ、フランソワ・ベゴドー、ロバン・カンピヨ
原作&出演:フランソワ・ベゴドー

フランス映画の21年ぶりのパルムドール作品。元教師の原作者が、主役の教師を演じ、人種も様々な24人の子供たちも、実際にパリ20区にある中学校の生徒たちが演じている。ワークショップを重ねることにより得られたドキュメンタリーと見まがう迫真の演出。(審査委員長ショーン・ペン)

上映日4/29(月・祝)=10:00 5/1(水)=15:40 5/2(木)=18:30 5/3(金・祝)=12:35
パリ20区、僕たちのクラス
2009年受賞

白いリボン

2009年/ドイツ/白黒/ビスタ/2h24/35mm
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
脚本協力:ジャン=クロード・カリエール
出演:クリスティアン・フリーデル、エルンスト・ヤコビ、マリア=ヴィクトリア・ドラグス

第1次世界大戦前夜の北ドイツの小さな村で、不吉な事件が連鎖し、村人たちは次第に疑心暗鬼に陥っていく。精確無比な演出と美しい白黒映像が、ひとつの村に生じる不穏な空気を鋭利に映し出す。ハネケは昨年『愛、アムール』で2度目のパルムドールに輝いた。(審査委員長イザベル・ユペール)

上映日4/27(土)=18:00 5/1(水)=10:00 5/2(木)=12:40 5/3(金・祝)=15:25
白いリボン
2010年受賞

ブンミおじさんの森

2010年/タイ/カラー/ビスタ/1h54/35mm
監督・脚本:アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:タナパット・サーイセイマー、ジェンチラー・ポンパス、サックダー・ケァウブアディー

腎臓病で死期が迫ったブンミは、都会から義妹を呼び寄せる。広大な農場に夜が来て、ブンミのもとを19年前に死んだ妻と猿の精霊になった息子が訪れる。霊魂行き交うファンタジックな世界が、精緻な映像と鮮やかな音の演出の中で展開するタイ初のパルムドール作品。(審査委員長ティム・バートン)

上映日 4/27(土)=15:25 4/28(日)=18:00 5/1(水)=13:05 5/3(金・祝)=10:00
ブンミおじさんの森©Kick the Machine Films

【特別上映】陸軍登戸研究所

2012年/日本/カラー/スタンダード/4h(途中休憩あり)/Blu-ray
監督・編集:楠山忠之
原案:日本映画学校「人間研究」

現在、明治大学生田キャンパスのある、川崎市生田の丘陵地に、1937(S12)年に建てられた「登戸研究所」。陸軍科学研究所の中でも最大の資金が投入されたこの施設では、電波兵器や細菌兵器などの研究が行われ、その中で風船爆弾や偽造紙幣が実際に使用された。この作品は、かつてこの施設に関わった人々を、7年の歳月をかけて取材し、その全貌に迫った上映時間4時間に及ぶ労作である。
●2012年度キネマ旬報文化映画ベストテン3位

上映日 5/4(土)=10:00、15:00
★各回上映前、楠山忠之監督による舞台挨拶あり
陸軍登戸研究所5号棟 偽札印刷工場(取り壊し前)

【5月5日はこどもの日映画館】バッタ君 町に行く

1941年/アメリカ/カラー/スタンダード/1h18/35mm
製作:マックス・フライシャー
監督:デイブ・フライシャー

スタジオ・ジブリの配給によってよみがえった名作アニメーションで、「ポパイ」「ベティ・ブープ」のフライシャー兄弟の代表作。虫たちが暮らしていた都会の草むらが人間に荒らされた。バッタのホピティは仲間たちと安全な土地をめざして引っ越しの旅にでる。<日本語字幕上映ですが、事前に解説を行います>

上映日 5/5(日/祝)=10:00、12:30
バッタ君 町に行く

チケット料金

●パルムドール特集(1作品につき)
一般・大学・専門学校生・シニア・障がい者・付添(1名まで)1,000円/会員800円/高校生以下800円

●『陸軍登戸研究所』 一律1,500円

●『バッタ君 町に行く』 一律500円(3歳以下ひざ上無料)

※「パルムドール特集」『バッタ君 町に行く』は会員ポイントと各種割引対象外
※『陸軍登戸研究所』は特別興行につき各種割引対象外、招待券使用不可、会員ポイントはたまります。

■その他公演情報
川崎・しんゆり芸術祭<アルテリッカしんゆり>2013 公式サイトへ
http://www.artericca-shinyuri.com/

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